「ホント」に見えてしまう「ウソ」 ~統計の怖さ~

星野 健

2014年06月04日 00:55


離婚率150%もありうる?

 ネットを見ていたら、ビックリした文章に出会った。
 「日本では、3組に1組は離婚する」

 そこで、根拠となるデータを探した。
 あった。
 厚生労働省発表のデータ。

 2012年の統計では
 婚姻66万9千件に対し、
 離婚件数は23万5千件。
 事実は確かにあった。
 しかし、「3組に1組」という言葉はない。

 では、なぜこんな数字が出ているのか。
 こう計算したと考えられる。
 上記の相対比率(離婚÷婚姻)は、確かに 0.35 になる。
 でも、この計算式はおかしいことに、気付く人も少なからずいると思う。


 頭に、浮かべてみよう。
 「婚姻66万6千件に対し、離婚は100万件」
 という統計も、起こる可能性はある。

 その時の記事は、こうなるのだろうか?

 離婚率150% 
 「2組に3組は離婚する」


 
 なぜなら、婚姻は「その年に」結婚した件数であり、
 離婚は「その年までに」結婚した「累計」が母体の件数である。
 「婚姻継続」を統計で見ることは困難であるため、
 「ホント」に見えてしまう「ウソ」が、事実のように独り歩きしてしまう。
 統計はその方法、根拠を見ないと、やはり怖い。

 さらに、根拠は消えていく。
 「3組に1組が離婚」というように、
 「言葉だけ」が広がり、「事実のように」伝わっていくことも。

 うーん…


 
 


関連記事
忙しい1日
春野菜の料理づくり
2022年 授業終了
現状を変えようと、生きる人
教員免許更新制廃止へ
stand.fm 3週目
春の嵐 ~晴耕雨読~
Share to Facebook To tweet