e-Statで見る 2017年度岐阜県内看護受験環境の変化 ~⑤大学~

星野 健

2018年01月03日 00:01


 ~現役高校生は、合格しやすい状況に~

2013年から2014年にかけて、岐阜県看護受験環境は大きく変化しました。
新設大学看護学部2校、あわせて160名も、定員が増えたのです。
成績上位者は、養護教諭または保健師資格が在学中に取れるメリット、
将来の管理者・研究者・看護学校指導者の候補となりうる大学への進学は、魅力的です。

また2014年は、現役高校生にとって、学校開設に伴い推薦入試が遅れたこともメリットでした。
浪人すると「新過程」での入試となり、「とにかく現役で」という学生が助かったのです。
他大学、看護専門学校の推薦で不合格の生徒が、もう一度推薦で受験機会を得ることができました。
大学側も、現役生を推薦で確実に入学させたいため、互いにメリットがあったのです。

■数字の変化で確認しましょう(すべて岐阜県のデータです)。
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(http://www.e-stat.go.jp/

     数字は、倍率・高校新卒入学者・高校新卒以外の入学者 の順
2013    2.45  318   18
2014   2.30  389   132
2015    2.26  436    119
2016   1.96  525   41
2017   1.91 570 29

2013年のデータで驚くことは、入学者のうち18人しか「新卒以外」がいないこと。
さらに、そのうち女性は1名のみだったことです。「新卒でないと、大学は厳しい」という年だったのです。
2014年には、その点が解消されました。新卒で71名、新卒以外で104名、計175名も大学生が増えました。
競争率もやや解消しています。2014年~15年は、それまで大学進学を考えていた社会人の願いが叶う年でした。

2015年には、岐阜聖徳学園の看護学科新設により、さらに競争率も解消したと思われます。
このように、私立大学を中心に社会人でも大学に入りやすい環境が、岐阜県でも整いました。
長い目で見ればこの選択が王道であり、職場での比率が一番高い層と、変化していくのです。
資金的・時間的な余裕、将来性を重視するならば、看護協会のイチオシである大学進学を考えてほしいのです。

2016年~2018年も愛知県内で新設、短大から大学への変更がありました。
尾張北部の高校生が県内受験に向かうことで、岐阜県内大学への流入は、少なくなったと考えられます。
それを見越して、AO入試・推薦入試・併願推薦入試等で現役高校生を前半の入試で確保。
今まで短大へ進学した高校生も、大学への道を選択するようになりました。

大学進学の可能性を高くするには、実は「高校進学」から考える必要があるのです。
「系列校からの指定校推薦」または「系列校との併願」が有利な、
岐阜聖徳学園高校・済美高校(大学進学なら衛生看護科でなくても可)への進学は、
大学進学のアドバンテージとなるのです。ただ社会人ではこの手は使えません。

社会人は再び、大学進学が厳しくなりました。
これまでも第一看護進学が厳しい状況。
短大の大学化により、来年度から短大進学の道も断たれます。
どの選択肢にしても、今年度中に進学を決めておきたいところです。

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