閣議決定された給付型奨学金 ~高校進路選択・在学中の生活に影響~
~シナリオを想像すると…~
大学の給付型奨学金。その要件が見えてきた。
「対象者は住民税非課税世帯で、一定の成績要件を設けるほか、部活動などの課外活動で活躍した生徒を高校が推薦する。」
各校から推薦を受けるのは、1名~7名程度の見込み。
高校受験の時
「もし自分がこの状況だったら」
と想像してみる。
高校の進路選択の中で、
「この要件を満たすには」と、
まず考えてしまう。
その高校でいい成績が取れないと、推薦はまずありえない。
入学後は「定員が決まっている競争」となる。
部活動で目立たなければ、生徒会。
「推薦してもらえるための自分」をつくる。
成績上位維持も忘れてはいけない。
高校在学期間での評価が、
大学給付型奨学金につながる。
このレールから落ちると、経済的な負担が大きくなる。
ましてや「学び直し」となれば、個人負担となりさらに厳しい状況になる。
とにかく、前に進むしかない。
そう考えるだろう。
給付型は「ない」よりはいい。
しかし、その要件を満たすための努力・アピールが他の生徒と違いすぎる。
本来、勉強して「実力そのもの」を伸ばす時間が、他に取られていく。
対象となる生徒の進路選択・高校生活・大学生活を縛るものとなっていくだろう。