キュアとケア ~2つを軸に、社会をとらえる~

星野 健

2017年12月12日 00:01


 ~残された時間を、充実~

准看護学校にて、KJ法の課題をグループワークで行う。
その中で「緩和ケア」についてまとめたグループがあった。
「10年前」の表札の下に「敗北的医療」というラベル。
「キュアこそが医療」とされた時代があったことを、再認識できた。

『1つの軸』で物事を捉えると、
その「価値を捉えやすく」なる。
『2つの軸』で捉えると、
その「状況を把握しやすく」なる。

現在の医療はどうか。
タテ軸に「キュア」の軸。ヨコ軸に「ケア」の軸。
プロットされた場所の「価値づけ」ではない。
その場所からの⇒の「方向づけ」、即ち『ベクトル』が医療となる。

医療は日々変化する「場所」から、各軸での移動を試み、より良い方向へ向きを変える。
終末期では残存機能を活かし、その時々の「生活の質を向上」を図っている。
ケアではあらゆる「痛み」を取り除きながら、状況緩和の方向へ。
「痛みの回避」は、緩和ケアにより現実となる。

これは社会全体にも、当てはまるだろう。
現実に対し、キュアだけでは支え切れない。
同時にケアを行い、平面化・複線化で対応する。
上へだけでなく、右への『ベクトル』で人は支えられる。

現在の緩和ケアを認識し、未来の緩和ケアを想像することは、
現在の社会を認識し、未来の社会を想像することにつながる。
医療が向かっている方向に対し、社会では何が足りないのか。
ケアという『軸』、そして『ベクトル』に、そのヒントがあるのだろう。

今、NPO法人立ち上げに協力し、
理事として何ができるのか、模索をはじめることに。



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