夏のせんいまつり ~岐阜県における内職文化からの考察~

2017年07月05日
夏のせんいまつり ~岐阜県における内職文化からの考察~
 ~昔はすごいにぎわいだった…~

この前の日曜日は「夏のせんいまつり(はんぱ市)」だった。
住んでいる塾家を建てた頃は、まつりは活況だった。
家の前の空き地は、そのための臨時駐車場だった。
その日は、猫たちがおどろいて窓から外を眺める日になっていた。

今は違う。
私の住む第二せんい問屋街の近くは、静かなままだ。
目の前にマンションが立ち、その向こうの側だけが臨時駐車場になった。
それだけのスペースがあれば、十分なのだ。

現在、第二問屋街でまつりに参加している店舗は数件しかない。
しかも、分散化しているためその店の近くに車を止めることができる。
岐阜駅前の第一問屋街は、まだまだ人が集まるが、
昔ほどの活況ではない。

「せんいの岐阜」は、昔は中卒集団就職と内職が支えてきた。
私の子供の頃は、集団就職寮や社宅が校区内にも多かった。
友達の家へ行っても、行く途中でも「ミシンの音」は聞き慣れていた。
今も技術研修生である外国の方も少なくない。

内職文化を支え続けた岐阜の女性は「よく働く」と感じていた。
それは、今も昔も変わらない。実際にそのデータが示された。
http://tmaita77.blogspot.jp/2016/05/blog-post_20.html?spref=tw
平均との差は、1日あたり103分となる。
仕事を辞め再び働いた後も、岐阜県女性は全国一家事育児労働時間が長い。

正社員比率が低い岐阜県の女性の家事・育児時間は434分で日本最長。
正社員比率が高い山形県の女性の家事・育児時間は209分で日本最短。
その差は1日あたり、3時間45分となる。

一方で、夫の家事・育児時間は、岐阜が25分。山形が36分。
結果、夫の育児分担率は岐阜が約5%、山形は15%となる。

岐阜県の場合、妻が再び仕事に就くことになっても、
男性の家事・育児に対するスタンスは「変わらない」状況なのだろう。
WLB指数、家事・育児分担率ともに全国と比較し、かなり低い。
国際比較のグラフでみると、岐阜の存在はとんでもない位置にある。

結婚・出産・育児を通して、正規職から離れ、
家庭・社会とのかかわり方が、大きく変化する岐阜県の女性。
出産を通して、家庭・育児を全面的に担うことになる。
しかも、再び仕事に就くことでその負担率が軽減されるわけではない。

保育所へ通い始め「できた時間」は、短時間労働へと変わる。
しかしその労働は、正規職➡非正規職へと変化している方が、
他県と比べて非常に多い。シングルマザー看護奨学生の方も同様だ。
この「流れ」を経て、今の状況に至っているのである。
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Posted by 星野 健  at 00:01 │Comments(0)看護ひとり親支援
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