栗林ワールドへ ~岐阜市医師会准看護学校にて~
2017年11月02日
本が学校に届いた。
いよいよこれから「栗林ワールド」へ
2年前からスタートしたこの授業。
本を読む様子は、真剣そのものだ。
スタートは「京浜東北線の夜」
実直に生きているのに…という主人公。
壺に向かって叫ぶことを通して、前に進む自分を取り戻す。
今、実習を終え、資格試験に向かう学生には心に響くようだ。
次は「恩人」
映画化されることを期待したい作品。
捉え方が読む人により、かなり分かれる。
交流を通して、他者理解が深まる。
この短篇の主人公たちは概ね、おそらく人生初期に力を奪われたため、<みんなが軽々と飛び越える水たまりであっぷあっぷする人たち>です。「ダメ人間」「イタい人」と言われそうですが、今や、否定ばかりされて混乱し、人が怖くなるのは、特別な人だけではないでしょう。そう思うと、ダメでもイタくても「どっこい生きてる」この主人公たちが、我ながら立派に見えてきました。
(『はるかにてらせ』222頁 作者「あとがき」より引用)
全国では准看護学校は減少傾向。平均入学年齢は上昇傾向。
しかし、岐阜県では医師会立7校はずっと維持され、地域医療を支えている。
しかも、岐阜准は3年前に校舎新築し定員も20名増加した。
ここで「どっこい生きている」立派な学生が、毎年のように巣立つ。
だからこそ「栗林ワールド」は、学生に響く。
今の時代を生きる人に、そして、その方たちを支援する側の人に、
是非読んでいただき、感想を交流していただきたい作品群。
全6話の短編集を、授業に生かしていきたい。
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