栗林ワールドは広く・深く ~『恩人』の交流を通して~
2017年11月21日

~栗林佐知さんの短編集~
「夕暮れ時に一人ぼっちで歩いてるとね、向こうから大人になった自分がやってくるんだよ」
— 気になるフレーズ
「なんで?」〔…〕「だってそうなんだもん。自分ていうのは何人もいるんだよ」(「恩人」)★栗林佐知『はるかにてらせ』 pic.twitter.com/6RKgJZ7hT5この本、この1行 (@koberandom) 2015年9月24日
短編集「はるかにてらせ」にある『恩人』
この1行が、とにかく効いている。
そして授業では、そこを読み取っていくことができた。
「ゆき子ちゃんが一人ぼっちで歩いている時の思い」
そこまで感じている方もいた。
主人公の娘、綺羅(キラ)さんを、
自分の娘かのように語りだす方も、
また、涙が出そうになるくらい主人公に共感していた方もいた。
今年の学生は、感受性が豊かな方が例年より多いようだ。
読むことと書くこと、演奏することと聞くこと、作ることと鑑賞することは、そもそも表裏一体の営みであって、作り手と受け取り手が一体となったあり方は最も幸せな形なのかもしれない。
— 須藤岳史 (@Artssoy) 2017年11月20日
読み取り方によって、『恩人』はずいぶん受け止め方が変わる作品。
毎年のように扱うが、毎年のように新たな驚きと出会う。
看護・介護・福祉・保育など、人を支えていく仕事をされる方に、
是非、読んでいただきたい。いろいろな学校で読まれることも期待したい。
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