書くことでつながる④
2015年09月13日

~大学卒業時に、『気持ち』の整理が~
『気持ち』を話すことが苦手な私は、
歴史小説ばかり読むようになった。
それ以外の小説は、ほとんど手にしなくなった。
なぜそうだったのか、今、振り返ってわかるような気がした。
「厳しい条件の中で、自分らしさを発揮した人」
きっと、そこに共感したのだろう。
「お金」と「時間」の欲が、私のように彼らにはなかったのだ。
ただあるのは、時代の中にある個々人の「使命感」だ。
高校生になり、急に歴史小説を全く読まなくなった。
その代わりに「匠の時代」を読み、
寡黙に目的に向かう技術者へのあこがれに変わった。
同時に、心理学の本を読むようになった。
自分に対する危機感を、感じ始めていたのだろう。
しかし、私は「同時進行」ができない。
そして、手先も残念ながら器用でない。
客観的に「技術者として、厳しい素材」だと感じた。
それなら、彼等の環境を整える「経営工学」へ進もうと。
ここでは、心理の勉強もできるので「一石二鳥」だと、考えるように。
家庭の経済状況が厳しくなり、国公立のみ受験。
運よく名古屋工業大学へ。そこで、出会いが。
「感情に責任はない、行動に責任を取れ」
大学・産業心理学の講義で聞いた言葉が、私を救った。
「そうなんだ」と。
それがきっかけとなり、ゼミは産業心理学教室へ。
ゼミでいろいろ話すことで、
『気持ち』が少しずつ出せるようになった。
「君は書くことで、社会とつながるタイプの人間だ」
と言われ、納得しつつも『書かなくてもいい自分』も作ろうとした。
今では、自分の家庭を持ち、
『気持ち』を素直に出せている。
でも「書くことでつながる」ことも、続いている。
(続く)
Posted by 星野 健
at 00:01
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