ブラック職場体験学習

2014年06月25日
ブラック職場体験学習
岐阜市男女共同参画サポーター会議でも話題に

 第16希望で、とあるスーパーマーケットで『職場体験学習』となったA君
朝10時から昼休み1時間をはさんで、午後3時までの体験。
店長、担当者の指示の元、商品補充を「ひたすら」やり続けた。
そのとき、彼は、気づいた。
一緒に働く『店の従業員』がいない
ということに。
でも、巨峰といちご、えだまめを昼食時にいただき、喜んでいた。

国立教育政策研究所 平成24年度職場体験・インターンシップ実施状況等調査結果によると、
職場体験学習については、公立中学でほぼ100%実施。
しかし、私立中学では25%程度。
私立では、「必要感」がないのか、実施されていない傾向が強い。

また、文部科学省のHPでは、次のような文章があります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/026/005/__icsFiles/afieldfile/2010/03/30/1230648_001.pdf
事業所の皆様の感想 職場体験の生徒を受け入れたことで、事業所にとって良かったと思われる点は…?

○  職場が、セール中ということもあり、生徒さんが頑張って下さったので、本当に助かりました
クリーニング店
○  本年度は、実習生と重なり、大学生と中学生が一緒に教育活動ができて、より深く仕事の内容、子ども理解が深められたようです。
幼稚園
○  職場が、明るくなり、活発になったと思います。
レストラン
○  人手が増えるのは、ありがたいことです。地域への貢献は、地域にとっての義務です。参加させて頂いて嬉しく思いました。
薬局
○  たくさん体を使って遊んでもらえ子どもたちにとっても楽しい5日間だったと思います。
保育所
○  忙しい中でラッピングなどを手伝って頂いて、いつもより楽しく早く終えることができました。
パン屋

という紹介もあり、受け入れ企業にとって
「賃金のいらない労働者」として扱ってよい
と思われる文章まで、紹介されています。

 岐阜市男女共同参画サポーター会議で、職場体験学習について話題にしました。
会議では、まずはじめに、私が市内の中学生から聞いた話を紹介しました。

 「おむつのセール」があり、店頭へ「おむつ出し」をし続けました(薬局)。
 結婚式用で各テーブルに置く、おおきなツルを、毎日3人ががりで、折り続けました(ホテル)。
 子どもたちとうまく関われなかったので、その日の午後以降、ずっと図書館の本を50音順に整理していました(保育園)。

 次に、このような、「はじめての就労体験」が、その後の職業観にどう影響するのか。
このような、「はじめての就労体験」は、岐阜市特有のものなのか。
調べてみたことを、資料を提出し、発言しました。

岐阜市は、職場体験学習の実施が、他県より遅れています。男女共同参画社会の資料では、
2012年に12校、2013年から公立中学全校実施となりました。
全国的には2001年度から(80%)→2012年は96%実施。岐阜市は2007年度から開始でスタートが遅い。

また、先進している他の都道府県では「自治体、NPO」が主体的に体験場所の確保、体験場所への働きかけをしている状況。
体験場所に「趣旨」を理解してもらい、実施計画・事後報告もされているところもあります。

ところが岐阜市では、予算がついておらず、担当部署は各学校に「丸投げでおまかせ」。でも、評価だけはしています。
http://www.city.gifu.lg.jp/secure/12087/2340060_046.pdf
学校はPTAに協力を呼びかけ。岐阜市ではPTAを中心に体験場所をさがしています。また、全国表彰を受けたのもPTA。http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/01/__icsFiles/afieldfile/2013/01/08/1329544_02_1.pdf

会議では、「市が主体」の事業にすべきと、提案しました。
男女共同参画社会実現のための「はじめての就業体験」は、感動的なものでありたいと。

また、今のままでは、ブラックな体験をしても
「せっかく、親ががんばって体験場所を確保したのに、文句を言うんじゃない」
という雰囲気が。
事後学習では、どんな体験をしても
「お礼状」
を送ることになっています。
「これでは何も変わらない」
ことも指摘しました。

今後の岐阜市の姿勢についても、会議の中で聞き続けていくつもりです。

体験する生徒、担当するPTA、教職員は毎年変化します。
しかし、味をしめた体験実施場所は、毎年続きます。
「無給」で「文句の出ない労働力」を確保するだけでなく、
お礼状までいただき
「感謝される存在」
になり続けることはできるのです。
対抗するには、先進的な各県には存在する
「変化のない市の担当、またはNPO」が必要なのでしょう。

ブラック企業
ブラックバイト
以前に

ブラック職場体験学習

があっては、たまらない。
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Posted by 星野 健  at 00:19 │Comments(0)男女共同参画サポーター
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